いずれも。

あれもこれも、いずれも必然。

虐待を乗り越え夢を語る姿に心を動かされても「とりあえず仕事やめます」なんて言えない。

明日も休みだしなーと、だらだらと夜更かししていたらぼんやり見てたテレビでNNNドキュメントがはじまった。テーマは「傷つく子どもなくしたい 施設で育ったオレの夢」だ。どうも「傷つく子ども」というような毒親を連想させるワードには、ボクは過敏に反応してしまう。

 

親に虐待され、施設で育った青年が「自分のような子どもを、これ以上増やしてはいけない。そのために尽力したい」という自分の夢を語る。人の顔色をうかがい、人を疑って生きてきた自分の人生を振り返る。

 

彼にとって過去の記憶を掘り返してフラッシュバックと闘いながら、それを大勢の人の前でスピーチとして語るというのは、相当な精神力を要する行為だろう。誰だって好き好んでツラい記憶を向き合いたくはないと思うけど、それを乗り越えてまで「傷つく子どもをなくしたい」と涙ながらに訴える姿に胸が熱くなった。

 

さらに彼は虐待した親を許すようなコトバをスピーチとして語っていて、それもボクにとっては衝撃的なことだった。「誰にも何かの事情がある。今ならわかる」そんなことを言ってたと思う。自分の人生、人格を狂わせたような親の虐待をこんなふうに受け入れることができるんだろうか?いや、たぶん、できないときもあるだろうけど、そうありたいと自分に言い聞かせてるのかもしれない。

 

そんな彼の姿に心をうたれてボクはこんな文章を書いてるわけだけど、だからといって、すぐに何か自分を変えようと具体的に行動するわけじゃない自分を自嘲する。ボクには人前で語れる夢なんかないし、せいぜい自分の周辺の人たちをシアワセにしたいと願うだけだ。

 

そう思いながら見ていたら、最後に市民ボランティアとして彼を支援したメンバーの一人が「とりあえず仕事やめます」と発言したから驚愕した。夢を語るスピーチに臨む彼を支援するうちに、やりたいことに踏み出せない自分を省みたらしい。

 

いきなり仕事やめてどうすんの?こんな厳しい世の中で夢でメシは食えない。そんなことを咄嗟に思ってしまうボクはやっぱり凡人だし、堅実かもしれないけど、どこか満たされなさを抱えながら生きていくんだろうなぁ。


NNNドキュメント'14|日本テレビ