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いずれも。

あれもこれも、いずれも必然。

【ジュピター】映画館で見る価値はあるけど、とにかくもったいないと思わずにいられない。

もったいない。

映画を見終わった瞬間にまず頭に浮かんだのがこの言葉だった。出し惜しみしないっていうのは、素晴らしいサービス精神だと思うけれど、127分の中にこれでもか!これでもか!とやりたいことを全部詰め込んだ結果、ダイジェスト版のような映画になってしまっている。

え?アレはどうなったの?え?それで終わり?といういくつもの疑問符を置き去りに、ストーリーはめまぐるしく展開して収束する。あれだけ壮大な世界を創りあげたんだから、もう少しストーリーに捻りを加えて、じっくり楽しませてほしかったなぁ。

SF好きには堪らない目で楽しむご馳走。

大満足とは言えない内容だったけど、映画館に足を運んで正解だったとは言える。スクリーンに展開される宇宙都市は息をのむような美しさで、ちょっと言葉では伝えられそうにない。生物のようなしなやかさを持った独特な宇宙船のデザインも印象的だった。艦隊戦とか見たかったなぁ、ホントにもったいない。

古典的なカンジの空飛ぶブーツでメインキャラのケインが飛び回る。アレは「もっとなんかあるだろ!」という気もするし、賛否両論ありそうだけど、ボクはあぁいうベタなカンジのアクションはスキだなぁ。バック・トゥ・ザ・フューチャーでスケボー使ってたから、インラインスケートならどうだ?っていう安易さがいい。実際にそう考えたのかどうかは知らんけど。

映画を見に行かなくても、このコンセプト・アートは是非一度見て頂きたい。どれだけ凄まじい映像がこの映画で見れるのかを垣間見ることができるはず。まぁ、すべてほぼ一瞬で現れては消えていくけどね。

lookbook.jupiterascendingmovie.net

ラブストーリーが雑すぎる。

ボクはもともとラブストーリーがあまり好きじゃない。だからそんなにこだわりはないんだけど、それでももうちょっとうまくやれたんじゃないの?っていう気はする。だって設定としては、材料は十分すぎるほど揃ってるんだから。

まず、ケインはオオカミと人間のハーフという設定だから、主人公の人間であるジュピターとは異種族ということになる。ありがちだけど、いろいろ葛藤しそうじゃないすか。葛藤の末結ばれるとか感動しそうじゃないすか。でも、ジュピターは全然葛藤しない。

もうひとつ。ジュピターは女王の生まれ変わりなので、ケインとは身分違いということになる。これもいろいろ葛藤しそうじゃないすか。葛藤の末・・・もういい。でも、ケインは一瞬だけ躊躇って乗り越えてしまう。まぁ、映画が急ぎ過ぎてるので見えないところで葛藤してたのかもしれない。

でも、これを丁寧に描いたら、とてもじゃないけど一本の映画には収まりきらないだろうなぁ。

防戦一方でカタルシスを得られない。

アクションシーンはとても多いんだけど、基本的に主人公は防戦一方なのでどうにもカタルシスを得られないというのも、この映画のツラいところかな。ジュピターは武器を持たない普通の人だし、ケインはブーツで空を飛び、シールドを持ってるけど攻撃手段を持ってない。いや、銃は持ってたのかなぁ。でも、あまり使ってた印象がないな。

やはり少年ジャンプを読んで育ってきたボクとしては「友情」「努力」「勝利」を欲してしまうところがある。時間が足りなすぎてそのどれもが薄味なのが、このジュピターをどうにも物足りない映画にしてしまっている気がする。

映画館で見る価値はある。でも、どうにも物足りない。もっとじっくり見てみたい。もったいない!極めてシンプルに要約すると、そういう映画だったかな。ウォシャウスキー姉弟はアイデアは素晴らしいから、それを広げてうまく整理する脚本家がいたらいいのになぁ。

「ジュピター」オリジナル・サウンドトラック

「ジュピター」オリジナル・サウンドトラック