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いずれも。

あれもこれも、いずれも必然。

はたしてスマポンは1日中寂しく過ごしてる父を癒やしてくれるだろうか?

しまった。つい最近まで覚えてたのにいつのまにか父親の誕生日を忘れてた。気がついたのは、当日の会社帰り21時ごろ。もうケーキ屋とか開いてないだろうし、開いてても今から持って行って食べないよなー。

ま、イオンモールに行けば何かあるだろ。そのまえに奥さんにメッセージを送っておかないと「父の誕生日だから、ちょっと顔出してくるー」もちろん顔文字をつけることもわすれちゃいけない。

さて、とりあえず無計画にイオンモールに来てみたものの、どうしようか。ウケ狙いもありかなーとヴィレッジバンガードに入ってみるけど、さすがに父親にあげたくなるようなモノはなかなか見当たらない。

定年退職してめちゃくちゃ暇そうだからなー。何もせずに一日中ずっとテレビを見てるだけの生活を続けてたら、認知症になってしまわないだろうかと時々心配になる。そうだ、プラモデルとかどうだろう?昔からモノを作るのスキだし。

ない!ない!父が好みそうな車のプラモデルなんてないよ。見渡すかぎりガンプラだらけだ。シナンジュかっこいい。ボクがほしくなってきたじゃないか。

困った。まったく候補が挙げられないまま時間が過ぎていく。もうコンビニスイーツでも買って持っていくか?かわいい息子が誕生日を覚えていて顔を出すだけで充分嬉しいもんだろ、親なんてものは。なぁ、そうだろ、父さん。いや、かわいくないし、さっきまで忘れてたけどさ。

それでもしつこく健康器具なんかどうだろうと家電量販店をぶらついていたそのとき、ボクの視界に妙なモノが飛び込んできた。

スマポン white

スマポン white

スマポンってなんだ?スマホの上に置いたら、勝手に喋りだしてゆるーくコミュニケーションがとれるだと?!これは毎日一人寂しくテレビを見てる父を癒すグッズになるかもしれない。そして、ほとんど使ってないスマホに使い道ができて一石二鳥かも。

さすがにネタとして買っていくスマポンの一点賭けで盛大に滑ったらつらすぎるので、最近オープンした店のシフォンケーキも携えていくことにする。このサイズで300円とはなかなかだな!

by-s.me

実家に着いて「誕生日おめでとう」と言いながら、父にスマポンを渡した。なんじゃこりゃと予想通りの反応が返ってくる。がんばって箱を開けた父から、母がスマポンを奪って「こんにちは」と話しかける。いや、それ焦りすぎ。たぶんスマホの上に置かなきゃ反応しないだろ。あと専用アプリも入れなくちゃ。

父のスマホにスマポンのアプリをインストールして、いざ、スマポンをセット!その瞬間驚くほどの沈黙がボクらを包んだ。スマポンは父のスマホの画面上でじっと黙秘権を行使している。それを息を呑んで見守る家族の姿をぜひ動画におさめておきたかった。

やばい。父のスマホはスマポンに対応してないんじゃないだろうか。でも、アプリはすんなりとインストールできたし。まさか、スマポン初期不良ってことも有り得る?と、ボクがちょっと焦っていろいろ考えるぐらいの時間は充分あってから、急にスマポンが喋り出した。

とりあえず、スマポンとはコミュニケーションは成立しないことがよくわかった。声には反応してるけど、言葉を認識するわけじゃないみたい。そりゃ、こんな安価なおもちゃなんだからアタリマエかー。

父より母が喜んでさんざん遊んでたら、父のスマポンは勝手にオネエキャラへと進化した。ユーザーによって性格が変わるらしいけど、どういう仕掛けなんだろう。

こうして父に誕生日プレゼントを贈れるのは、日本の平均寿命を考えると、あと十数回ぐらいか。目がよく見えなくなったり、耳がよく聞こえなくなったとしても、たとえ動けなくなっても、ボクははアナタが自ら手を伸ばすことがないであろう新しくてくだらないプレゼントを贈り続けるから、覚悟しておくれ。

できれば、最後の誕生日まで「なんじゃこりゃ」と笑っていておくれ。