小さい箱手帳術

2025年はジブン手帳を使うことに決めた。ゆっくり手帳を書く時間なんか確保できない!といつしか手帳の役割は、いつでもさっとメモできるスマホに移っていた。そんな状況が変わったわけでもないのに、なぜいきなり紙の手帳に回帰することにしたのかというと、忙しない日々が続くからこそ、立ち止まって手帳を書いた方がいいんじゃないかと思い直したからだ。
スマホを手帳代わりに使っていると、より一層スマホ依存が強まってしまい、常にスマホを触ってしまう。そして、ついニュースやSNSをチェックしてしまって、自分にとって特に大切とは言えないことを考え続けてしまうのだ。紙の手帳でそうならないようにしたい!と僕はジブン手帳を手にした。
ただ、ジブン手帳は1ヶ月も使えずに挫折したことがあるから、無策では同じことを繰り返すだろう。そんな無駄に時間を費やせるような現状じゃないし、精神的余裕もないので、挫折という心理的ダメージも避けたい。
以前はバーチカル手帳のスタンダードな使い方をしようとしていた。時間軸に沿って予定を書き込んだり、出来事を書き込んだり。しかし、都度書けずに後から思い出して書き込もうとすると、この時間に何をしていたかなんて思い出せない。思い出そうとするのもめっちゃ時間がかかる。そして、空白のままジブン手帳は放置されてしまったのである。
だいたい合ってればいいじゃないか。なんなら時間軸を無視しちゃってもいいんじゃない?とは思うものの、その存在がどうしても気になる。あいかわらず何をやっても変な完璧主義に囚われてしまう。やっぱりバーチカル向いてないんじゃないか?なんて思い始める。
ジブン手帳をじっと眺める。何も妙案が思いつかないままひたすら眺めていると、バーチカルに箱が並んでいるように見えてきた。ジブン手帳は6時、12時、18時に少し濃い線が引かれていて、毎日箱が4つ並んでいるようにも見える。早朝、午前中、午後、夜のそれぞれに何があったかを書くぐらいならできる気がする。
・・・書き足りない。4つじゃ書き足りないよ。それで十分な日もあるけど、書き足りなくて何を書いて何を捨てるか悩む日が増えてめんどくさくなってきた。あと、早朝はスペースが狭くて、それ以外は内容によってはスペースが広すぎると感じることも多い。あぁ、挫折の足音が聞こえる。
またジブン手帳をじっと眺める。もっと小さい箱が並んでいるように見えてきた。2時間で一箱だ。2時間のうちにあったことや考えたことをひとことで書く。これならいけそう。バーチカルを箱で見るようになると、時間軸を意識しながらも、だいたい合ってればいい、と思えるようになった。何をそんなにこだわっていたんだろう。
あれから1ヶ月がすぎて、僕のジブン手帳は小さい箱に細かい文字で日々のできごとが詰まった面白い読み物になっている。挫折の足音は聞こえなくなった。